カルチャー

阿部光瑠七段「豊島九段、苦しい長考」　名人戦第3局1日目を解説

　東京都大田区の羽田空港第1ターミナルで8日に始まった藤井聡太名人（21）と豊島将之九段（34）の第82期名人戦七番勝負（毎日新聞社、朝日新聞社主催）第3局は、藤井名人が45手目を封じて1日目を終えた。豊島九段の雁木（がんぎ）の構えに藤井名人が急戦を仕掛けた戦いは、豊島九段が長考を重ね、消費時間が藤

舞台「千と千尋の神隠し」ロンドン公演　拍手と熱気に包まれ開幕

　スタジオジブリのアニメーション映画を原作とした人気舞台「千と千尋の神隠し」のロンドン公演が7日（現地時間）、同地の老舗劇場「ロンドン・コロシアム」で本初日を迎え、開幕した。8月24日の千秋楽まで延べ135公演を予定。製作の東宝によると、日本人キャストによる日本語での海外上演では、過去最大規模となる

囲碁

第79期本因坊戦トーナメント　瀬戸大樹八段－平田智也八段　第9局の3

　◇平田に誤算　黒85は逃せない要点。逆に、白イとされると中央の風景が変わる。「互角の戦いが続いています」と今村九段。　白86とトビ、大石を安定させるとともに、右上隅から伸びる黒大石に迫る。生き死にがからむ中盤の難所である。　黒87、白88と交換してから、黒89としたのが好手。「攻めと囲いの両方見た

青嵐の旅人

／460　天童荒太　高杉千明・画

「殿の御心を裏切る不忠者、神妙にいたせ」　龕灯（がんどう）と呼ばれる捕方（とりかた）が用いるろうそくを使った灯（あか）りを手に、警固の侍たちが取り囲む。　鷹林たち過激党の者は、唇を嚙（か）み、「たばかられたか」「不忠者はそちらだっ」　と身構えた。途端に銃を持った者たちが彼らの前に出た。目付役の者が厳

囲碁UP・TO・DATE

映画で描く、魅力と美学　落語、人情噺を元に　時代劇脚本

　今にして振り返れば――。17日から公開される映画「碁盤斬り」（白石和彌監督）の脚本を執筆した加藤正人さん（70）は12年前の第67期本因坊戦、京都・寂光寺での第1局で盤側に座り、本因坊道吾＝山下敬吾九段＝と井山裕太天元（タイトルはいずれも当時）の熱戦を間近に見た。その後、出身地の秋田県能代市への本

将棋

第82期名人戦七番勝負　藤井聡太名人－豊島将之九段　第1局の7

　◇豊島の勝負手［後］9五角　観戦記・椎名龍一　図から検討陣が予想していたのは［後］3三桂である。玉の懐を広げて価値が高い自然な一手だ。しかし豊島の指し手は予想されたものではなく、1時間の昼食休憩を挟んで9五に角を打ったのである。この手を見て名人はうんうんとうなずいてみせたが、対局中の棋士がうなずく

将棋

第82期名人戦　第3局　豊島、長考に次ぐ長考

　＜大和証券＞　藤井聡太名人（21）に豊島将之九段（34）が挑戦し、藤井名人の連勝で迎えた第82期名人戦七番勝負第3局（毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛、日本空港ビルデング協力）が8日、東京都大田区の羽田空港第1ターミナルで始まり、藤井名人が45手目を封じて1日目の対局を終えた。持ち

囲碁

第79期本因坊戦五番勝負　14日開幕

　＜大和証券＞　一力遼本因坊（26）に余正麒八段（28）が挑戦する第79期本因坊決定戦五番勝負（毎日新聞社・日本棋院・関西棋院主催、大和証券グループ特別協賛）は14日、東京都台東区の東京国立博物館で開幕する。一力は前期、歴代1位の11連覇中だった本因坊文裕（34）＝井山裕太王座＝を4勝3敗で破り、初

季語刻々

人々に四つ角ひろき薄暑かな

　◆昔　◇人々に四つ角ひろき薄暑かな　中村草田男　すがすがしい四つ角の風景だ。その四つ角を過ぎるとき、わずかに暑さを感じるが、でもそれは不快ではなく、初夏の快さである。句の主人公はリズミカルに四つ角をよぎっているのだ。句集「長子」（1936年）から。この句集、昭和の名句集の一つだが、今の時期の句とし

仲畑流万能川柳

初めてのお泊り落とせない化粧

☆印は秀逸（仲畑貴志選）☆初めてのお泊り落とせない化粧　青森　よしのまちお早ようと吉岡里帆が起こしたら　和歌山　屁の河童大谷は通帳なんて見ないだろ　東京　寿々姫バイデンさんなら大騒ぎ「記憶ない」　尾道　円どら一年生声も歩幅もありったけ　幸手　とんとんへっくしょい美女も花粉にゃ勝てません　大分　ピカや

介護のイメージ、笑って変えよう　資格持つ安藤なつさんらライブ

　東京都渋谷区で8日、介護現場への理解を深めてもらおうと、芸人らによるお笑いライブが行われた。暗いイメージを払拭（ふっしょく）し、意識していない人たちへ楽しく伝えるのが狙い。　介護福祉士の「メイプル超合金」の安藤なつさん（43）、「マッハスピード豪速球」のさかまきさん（41）、タレントの西田美歩さん

豊島九段の雁木に藤井名人が棒銀で応じ封じ手　名人戦第3局

　藤井聡太名人（21）に豊島将之九段（34）が挑戦し、藤井名人の連勝で迎えた第82期名人戦七番勝負第3局（毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛、日本空港ビルデング協力）が8日、東京都大田区の羽田空港第1ターミナルで始まり、藤井名人が45手を封じて1日目の対局を終えた。持ち時間各9時間のう

映画「鯨のレストラン」上映を前に　捕鯨を考える授業　香川大

　「鯨肉を食べた経験がありますか」――。香川大学経済学部（高松市）で8日、捕鯨と鯨食を考える岡田徹太郎教授の授業があった。岡田教授は経済政策の面から捕鯨問題に関心を持っており、鯨食文化を多角的に描いたドキュメンタリー映画「鯨のレストラン」（八木景子監督）が高松市で10日から上映されるのに合わせて特別

藤井はあんみつ、豊島はおしるこ　両者ともスムージー注文　名人戦おやつ

　東京都大田区の羽田空港第1ターミナルで始まった第82期名人戦七番勝負（毎日新聞社、朝日新聞社主催）の第3局、1日目の8日午後3時ごろ、両対局者におやつが出された。　藤井聡太名人（21）がクリームあんみつ（京ぜん）と ハスカップヨーグルトスムージー（羽田産直館）を選択。豊島将之九段（34）はおしるこ

立会の佐藤康光九段「今までにない新しい戦い」　名人戦第3局

　初の空港での対局となった第82期名人戦七番勝負（毎日新聞社、朝日新聞社主催）の第3局が8日、羽田空港第1ターミナル（東京都大田区）で始まった。藤井聡太名人（21）は勝てば初防衛に王手をかけ、豊島将之九段（34）は負けると5期ぶりの名人復位に黄信号がともる。立会の佐藤康光九段は「観戦する側としては一

緩か急か　名人戦第3局、豊島九段の大長考　選択に注目

　藤井聡太名人（21）に豊島将之九段（34）が挑戦し、藤井名人の連勝で迎えた第82期名人戦七番勝負第3局（毎日新聞社、朝日新聞社主催）が8日、東京都大田区の羽田空港第1ターミナルで始まった。豊島九段の後手雁木（がんぎ）に対して藤井名人が先攻し、1日目午前の戦いが始まった。　タイトル戦初の空港対局は、

名人戦第3局の「勝負メシ」は羽田空港の名店ぞろい

　8日から第82期名人戦七番勝負（毎日新聞社、朝日新聞社主催）の第3局が、羽田空港第1ターミナル（東京都大田区）で始まった。初めての空港対局となったが、対局者に提供された昼食やおやつも、空港内の名店から選ばれた。日本を代表する空の玄関口で、ファンも「勝負メシ」を楽しむことができる。　藤井聡太名人（2

赤本、受験生に寄り添う衣替え　創刊70年、表紙リニューアル　「圧すごい」利用者の声受け、柔らかく

　手にするだけでどこか心強く、目標に近づけた気がした人も多いのではないだろうか。大学別の入試過去問を収録した「赤本」は全面赤色のインパクトある表紙で、受験生を長年支え続けている。創刊70年を迎えた今年、表紙のデザインがリニューアルされた。定番の装丁をなぜあえて見直したのか。歴史をたどると、意外な事実

三毒狩り

／210　東山彰良　画　信濃八太郎

　ドンッ！　という身の毛もよだつ轟音（ごうおん）とともに、河原の石がいっせいに二尺ほども浮き上がり、また雨あられのようにバラバラと落下した。亡者たちはひとり残らずカメのようにひっくり返ったし、亡者たちを監視している鬼卒どもだって立ってはいられなかった。思わず腰を浮かしかけた佟雨龍は、足の下で地面がイ

Interview

上田岳弘さん（作家）　融合する二つの世界で　朝刊連載小説「浮動」、14日スタート

　SF的な想像力を駆使して現実世界を描いてきた作家、上田岳弘さんの朝刊連載小説「浮動」が14日から始まる。昨年作家デビュー10周年を迎えた上田さんにとって初の新聞連載小説。「一つの事件が起きているように小説を読んでほしい」と期待を語っている。　物語は総合商社を辞めた30代後半の男性と、量子力学を研究